文化施策一覧
文化庁の補助金・助成金プログラムと文化政策を網羅
文化施設整備(5件)
国立文化施設運営費交付金
独立行政法人国立美術館(東京国立近代美術館、国立西洋美術館、国立新美術館等5館)、独立行政法人国立文化財機構(東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館等)への運営費交付金。年間来館者数は合計約1,500万人。
国立劇場再整備事業
1966年開場の国立劇場(東京・三宅坂)の建替え事業。老朽化に伴い2023年10月閉場。PFI方式で2029年の再開場を目指す。歌舞伎・文楽・邦楽等の伝統芸能の殿堂として、最新設備を備えた新劇場を整備。
文化施設機能強化事業
国立・公立文化施設のバリアフリー化、デジタル設備導入、耐震改修等の機能強化を支援。国立劇場の建替え(2029年完成予定)が大型プロジェクトとして進行中。
劇場・音楽堂等活性化事業
劇場、音楽堂等の活性化に関する法律(2012年施行)に基づき、地域の劇場・音楽堂等が行う創造活動、普及啓発活動、人材養成活動を支援。全国約2,200の公立文化施設の機能向上を図る。
博物館振興事業
博物館法(2023年4月改正施行)に基づく博物館の振興。博物館登録制度の見直し、学芸員の資質向上、博物館間ネットワークの構築、デジタルミュージアム推進等を実施。全国約5,700の博物館・美術館を対象。
文化財保護(9件)
文化財保存修理事業
国宝・重要文化財(建造物・美術工芸品)の保存修理に対する国庫補助。建造物の修理周期は約50年。美術工芸品は劣化状況に応じて修理。近年は防災対策も強化。
国宝・重要文化財建造物保存修理
国宝・重要文化財に指定されている建造物(寺社仏閣、城郭、近代建築等)の保存修理事業。補助率は原則85%。現在約2,500件の指定建造物のうち、常時100件以上が修理中。
世界遺産保全事業
日本国内のユネスコ世界文化遺産(2024年時点で20件)の保全・管理事業。構成資産の保存修理、緩衝地帯の景観保全、モニタリング体制の整備等を実施。2024年登録の「佐渡島の金山」を含む全遺産の継続的な保全を推進。
埋蔵文化財発掘調査事業
開発事業に伴う埋蔵文化財の記録保存のための発掘調査事業。文化財保護法第93条・第94条に基づき、土木工事等の開発事業者が実施する発掘調査への技術的支援・補助。年間約8,000件の発掘調査が全国で実施。
文化財防火・防犯設備整備
2019年の首里城火災、沖縄の文化財被害を教訓に強化された防火・防犯設備整備事業。自動消火設備、防犯カメラ、避雷設備等の設置を補助。補助率2/3。
無形文化遺産保護事業
ユネスコ無形文化遺産に登録された技術・芸能の保護・伝承支援。能楽、歌舞伎、和食、和紙など22件の登録遺産の保全と次世代への伝承を図る。後継者育成が重要課題。
文化財建造物保存修理技術者養成
国宝・重要文化財の保存修理に必要な伝統的技術(檜皮葺、漆塗、装飾等)の後継者を養成する事業。選定保存技術保持者・保持団体への助成。技術伝承者養成研修の実施。現在約80件の選定保存技術が認定。
文化財多言語解説整備事業
訪日外国人旅行者が日本の文化財をより深く理解できるよう、文化財の多言語解説を整備する事業。ICT活用(QRコード、AR等)による先進的な解説も推進。2020年までに約1,000件の文化財で多言語解説を整備。
重要無形文化財(人間国宝)保持者支援
重要無形文化財の保持者(人間国宝)に対する特別助成金の交付と伝承事業の支援。2024年現在、約110名が認定。年額200万円の特別助成金を支給。後継者養成のための伝承者養成事業も実施。
芸術文化振興(10件)
舞台芸術等総合支援事業
我が国の舞台芸術の水準向上と国民の鑑賞機会の拡大を図るため、舞台芸術団体が行う公演事業に対して支援を行う。トップレベルの舞台芸術創造事業、地域の文化芸術団体の公演活動支援、国際フェスティバル開催支援等を含む。
文化芸術振興費補助金
地方公共団体、文化芸術団体等が行う文化芸術活動に対する補助。舞台芸術公演、展覧会、文化祭典等の開催を支援する。文化庁の最も基本的な支援制度の一つ。
日本博2.0
「日本博」の後継事業として、日本の美と文化を国内外に発信する大型プロジェクト。2025年大阪・関西万博と連動し、全国各地で文化プログラムを展開。初代「日本博」は2020年度予算で45.3億円を計上。
子供の文化芸術体験推進事業
子供たちが質の高い文化芸術を鑑賞・体験する機会を確保するための事業。文化芸術団体等による巡回公演(学校公演)、芸術家の学校派遣、コミュニケーション能力向上のためのワークショップ等を実施。年間約4,000校で実施。
芸術文化振興基金
独立行政法人日本芸術文化振興会が運営する基金。政府出資541億円と民間出えん金(約164億円)の計約706億円を原資とし、その運用益により舞台芸術、映画、地域文化活動等を幅広く助成。
伝統文化親子教室事業
次世代を担う子供たちに伝統文化・生活文化の体験・修得機会を提供する事業。茶道、華道、日本舞踊、和楽器、書道等の教室を全国各地で開催。年間約3,000教室で約12万人の子供が参加。
新進芸術家海外研修制度
将来の日本の芸術界を担う新進芸術家を海外の大学や芸術機関に派遣し、研鑽の機会を提供する制度。美術、音楽、舞踊、演劇、映画、舞台美術等の分野で、1年・2年・3年の長期研修と研修員特別派遣を実施。年間約60名を派遣。
生活文化振興事業(茶道・華道等)
茶道、華道、書道、囲碁、将棋等の生活文化(暮らしの文化)の振興。2022年の文化芸術基本法改正で生活文化が明確に位置づけられた。次世代への伝承と国際発信を推進。
障害者文化芸術活動推進事業
障害者による文化芸術活動の推進に関する法律(2018年施行)に基づく支援事業。障害者アートの展覧会、バリアフリー公演、アーティスト育成等を実施。2025年は万博でのインクルーシブアート展示も推進。
アーツフォー・ザ・フューチャー
コロナ禍で活動が停滞した文化芸術活動の再開を支援する緊急支援事業。フリーランスの芸術家、中小規模の文化団体への活動支援金を給付。主に令和2年度第3次補正予算(551億円)等で措置。補正予算事業のため当初予算とは別枠。
地域文化振興(7件)
文化資源活用事業費補助金
地域の文化資源(文化財、伝統行事、食文化等)を活用した観光振興・地域活性化事業への補助。文化観光推進法(2020年施行)に基づく拠点計画の認定・支援を含む。
地域文化財総合活用推進事業
地域の文化財を総合的に保存・活用するための計画策定と事業実施を支援。文化財保護法改正(2019年)で導入された「文化財保存活用地域計画」制度に基づく。全国約300市区町村が計画を策定。
アイヌ文化振興事業
アイヌ施策推進法(2019年5月施行)に基づくアイヌ文化の振興。ウポポイ(民族共生象徴空間)の運営、アイヌ語の復興・継承、伝統工芸・舞踊の保存伝承、アイヌ文化を学ぶ機会の提供等を実施。
文化観光推進事業
文化観光推進法(2020年5月施行)に基づく文化観光拠点施設の認定・支援。博物館・美術館等を核とした文化観光の推進、多言語解説整備、地域の文化資源を活かした観光コンテンツの開発等。全国約100の拠点計画を認定。
文化芸術創造拠点形成事業
地方公共団体が文化芸術の創造拠点を形成するための取組を支援。アーティスト・イン・レジデンス、市民参加型の文化プログラム、文化施設を核とした地域活性化等の事業に対する補助。
日本遺産認定・活用事業
地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産」として認定し、その活用を支援。2015年の創設以来、104件のストーリーが認定。地域のブランド化、観光振興、文化財の総合的活用を推進。
食文化振興事業
ユネスコ無形文化遺産「和食」の保護・継承と食文化の振興。郷土料理のデータベース化、食文化人材の育成、地域の食文化を活用した観光振興を実施。学校給食での郷土食推進も含む。
文化産業(1件)
クールジャパン戦略推進事業
日本のコンテンツ産業(アニメ、マンガ、ゲーム、音楽、ファッション等)の海外展開を支援する事業。2024年に閣議決定された「新しいクールジャパン戦略」に基づき、海外での日本文化フェスティバル開催、クリエイター支援、プラットフォーム構築等を推進。
国際文化交流(4件)
国際文化交流事業
海外における日本文化の紹介・交流事業。在外公館での文化行事、国際芸術祭への参加、文化交流使の派遣等を実施。近年は東アジア文化都市プログラムも推進。
国際文化芸術発信拠点形成事業
海外に向けて日本の文化芸術を戦略的に発信するための拠点形成を支援。在外公館での文化事業、国際芸術祭への参加支援、海外での日本文化フェスティバル開催等。クールジャパン戦略と連動。
文化遺産国際協力事業
海外の文化遺産の保護に対する日本の国際貢献事業。カンボジア・アンコール遺跡群、アフガニスタン・バーミヤン遺跡、ネパール地震被災文化財等の保存修復を支援。ユネスコ信託基金を通じた拠出やJICA技術協力と連携。
東アジア文化都市事業
日中韓3か国で文化芸術による都市の発展を目指す国際文化交流事業。毎年各国1都市を選定し、現代美術、舞台芸術、文学等の多彩な文化プログラムを展開。2014年開始以来、日本では11都市が選定。
国語・日本語教育(2件)
日本語教育推進事業
在留外国人への日本語教育推進事業。日本語教育の推進に関する法律(2019年施行)に基づき、地域日本語教室の整備、日本語教師の養成、教材開発等を実施。技能実習・特定技能労働者への教育も重点。
国語施策推進事業
国語の改善・普及に関する施策を推進する事業。常用漢字表の見直し、敬語の指針策定、公用文作成の考え方の周知、「ことば」に関する世論調査の実施等。国語に関する各種審議会の運営も含む。2024年度は「公用文の書き表し方」の改定作業を推進。
デジタルアーカイブ(2件)
デジタルアーカイブ推進事業
文化財・美術作品の高精細デジタル撮影、3Dスキャン、メタデータ整備を推進。ジャパンサーチ(統合ポータル)との連携を強化。2023年からAI活用による自動分類・翻訳も実験中。
文化DX推進事業
文化施設のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進。オンライン配信、バーチャルミュージアム、AIガイド、キャッシュレス決済等のデジタル技術導入を支援。文化データの利活用基盤も整備。
メディア芸術(2件)
映画振興事業
日本映画の製作・配給・上映の振興を図る事業。若手映画作家の育成支援、国際映画祭への出品支援、地域映画祭の支援、映画フィルムの保存(国立映画アーカイブ)等を実施。年間約600本の日本映画が製作。
メディア芸術の創造・発信プラン
メディア芸術(アニメ、マンガ、ゲーム、メディアアート)の創作・発表・普及活動を支援。2022年に文化庁メディア芸術祭は終了。後継として「メディア芸術の創造・発信プラン」を展開。メディア芸術ナショナルセンター(仮称)の整備も検討中。令和6年度予算は約9億円。
著作権(1件)
著作権制度整備事業
デジタル時代に対応した著作権制度の整備・啓発事業。2024-2025年はAI学習における著作権のあり方が最大の論点。権利情報データベースの整備、海賊版対策の強化も推進。
宗務(1件)
宗教法人事務
宗教法人法に基づく宗教法人の設立認証、規則変更認証、合併・解散の認証等の事務。全国約18万の宗教法人を所管。宗教法人の管理運営の適正化、宗教法人審議会の運営も実施。文化庁の宗務課が担当。